電子回路メモ書き <<

二端子法と四端子法

 

二端子法と四端子法の違い

まずは二端子法とは何?

例えば、テスターで抵抗値を測定する場合、普通、2本のリード線(テスター棒)を試料(測定対象)に接触させて、その抵抗値を測ります。この普通にやっている測定の手法が二端子法です。でも、この方法では、その測定値にリード線の抵抗値や接触抵抗値が誤差として含まれていることになります。測定対象の抵抗値が数百Ωとか数KΩとかなら、特に問題ではないのですが、数Ω以下の抵抗値を正確に測ろうとすると、その誤差が大きな問題となります。

また、さらには、高い周波数の交流での抵抗値(つまりインピーダンス)を測ろうとすると、その抵抗値がそんなに小さな値でなくとも、リード線のインダクタンス(リアクタンス)が大きく影響してしまい、まともには測れません。

 

そこで四端子法の登場となるのです

抵抗(またはインピーダンス)を測定するには、その試料(測定対象)に電流を流し、試料の端子間に生じる電圧値を検出すればいい訳ですが、ここで、電流を流すラインと、電圧を検出するラインを別々に分けるという発想です。つまり電流給電用に2本と電圧検出用に2本の合計4本の測定ラインを用いるのです。そうすることにより、電圧を検出するラインに電流を流す必要がなくなり、リード線等による電圧降下の影響をリジェクトできる訳です。言葉で書くだけでは分かりづらいので、下に二端子法と四端子法の構成と測定原理を簡単にまとめました。

 

二端子法と四端子法の測定原理

二端子法の測定原理

二端子法の測定原理

r1,r2は接触抵抗や接続線の直流抵抗やリアクタンスなど。

二端子法では、それらの影響をもろに受けてしまう。

 

四端子法の測定原理

四端子法の測定原理

このように四端子法ではr1,r2,r3,r4の影響を受けることなく試料(被測定物)

のインピーダンスを測定することが出来る。

 

テスターやDMMで一般的な抵抗値を計る場合は二端子法で問題ありませんが、1Ω以下の低い抵抗値を正確に測定する場合(ミリオーム抵抗計)やインピーダンス測定やLCRメーターなどでは四端子法が必要となります。

 

四端子法とケルビンクリップとインピーダンスアナライザー

四端子法で測定するには、試料に4本の測定線(プローブ)を接続する必要がありますが、ケルビンクリップを使うと2つのクッリプで4本の接続ができるのでとても便利です。下写真は自作ケルビンクリップと自作インピーダンスアナライザーでコイルのインピーダンスを測定している光景です。

投稿:2012/4/28

 

Best Price by Amazon

このWEBサイトもサクラです。