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電気の基礎の基礎・電気の元
電気の元
前回、少し述べましたが電気の根本は、電荷を持った粒子つまり電子の挙動に起因します。
ここでは、もう少し詳しく見てみます。分り易くするため最もシンプルな原子である水素原子で考えます。
解説
電子と陽子の数的バランスの崩れ、これが電気の元です
- 通常の水素原子では電子と陽子の数は等しく、つまり、電子の持つ電荷と原子核(陽子)の持つ電荷は大きさが同じで極性が逆なのでプラスマイナスゼロとなっています(原子全体としては中性)。
- 何らかの理由で電子が原子から離れ飛び出てしまうと原子としてはプラスの電気を帯びます。
- 逆に外からの電子が取り込まれた場合、陽子1個に対して電子が2個なのでマイナスの電気を帯びます。
- これらが帯電という現象の根源で、つまり電気の元となります。
水素原子以外でも同様
上では分り易くするためシンプルな水素原子で述べましたが、たくさんの電子を持つ原子でも同様です。ただ、このような多くの電子を持つ原子においての電子の出入りは、必ず価電子と言われるいちばん外側を回っている電子において行われます。
このままでは静電気
電子の出入りにより電気的バランスを崩すことが電気の元であることは分かったのですが、それだと原子に固着した電気で、いわば静電気です。これだと使い物にならないので、使うには電線に流す、つまり電流が流れることが必要です。次回は電流の元についてお話します。