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USBをお手軽にするFT232RLというIC

2009/12/29

お手軽USBインターフェイス

自分の作った回路や工作品をパソコンでコントロールやモニタしようとすると今時ならUSBを使いたくなる。ところが、USBを真正面から使おうとすると結構面倒くさい。USBのプロトコルを勉強したり、パソコン側のドライバを作成したり、わざわざUSB対応のマイコンを用いたり・・というような本質的ではないところに時間やエネルギーを費やすのもバカバカしいです。そんな時は横道を行くんです。先人が作ってくれた横道を気軽に通り、汗かいて越える必要のない山をスルーするのです。つまり、出来合いの有難いデバイスを用いて大変なところをパスするのです。

 

FTDI社のFT232RLというIC

その横道、いやデバイスがFTDI社のFT232RLというICだ。

このIC、簡単に言うと、厄介なUSBのやり取りを全て引き受けてくれて、従来のシリアル通信に変換してくれるのだ。前々から気になっていたデバイスだが、前に書いたArduinoというマイコンボードに使用されているのをみつけ、なんだか興味がピークに達した。そこで、忘年会ついでに大阪日本橋に立ち寄りデジットという電子パーツ店でこのデバイスとピッチ変換基板とUSBコネクタを購入したのだ。

 

で、さっそく、このICを用いてUSB-シリアル変換インターフェイスボードを作ってみた。こんな感じで、できるだけコンパクトに仕上げたつもり。

 

ついでに横から見るとこんな感じ。

シリアル側(ターゲット側)コネクタは裏表の両方につけた。表面のコネクタでリード線経由で接続してもいいし、下の写真のように、裏面のコネクタをターゲット基板にダイレクトに接続することも出来る。

簡単な動作確認をしてみる。

まず、パソコン側にはFTDI社から無償で配布されるドライバをインストールしておく。このドライバによりUSBを仮想COMポートとして扱うことができるのだ。つまりパソコン側のUSBドライバを手作りする必要が全くない。

次に、動作確認用に簡単なPICマイコンボードを作製し、SCIでYという文字を受信したらLEDをオンし、Nという文字を受信したらLEDをオフさせるプログラムを作る。このプログラムではUSBであることを一切意識する必要がない。あくまでも単純なSCI(シリアル通信)なのだ。

次に、パソコン側では適当なターミナルソフト(僕はフリーのTera Term Proを用いた)でターゲットをローカルCOMポートとして、マイコンボードのCSI設定に応じた通信速度などに設定し、パソコンのキーボドでY、Nのキーを押す。するとちゃんと、マイコンボードのLEDが、Yを押すとオン、Nを押すとオフする。面白いほど簡単にUSBでターゲットボードをコントロールできました。

 

FT232RLのデータシートやドライバなど全て下記FTDI社サイトにあります。

ちなみに通販で買うなら秋月がいちばん安いようです。安価なピッチ変換基板もあります。

モジュールとしてのキットもあるのでこれがいちばんお手軽かも。

 

 

おまけ:今回作製したコネクション(らくがき)

FT232RLインターフェイス回路図

(クリックすると大きな絵が開くよ)

 

 

 

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