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瞬発力アクチュエーターのロケット玩具などへの応用
考案のいきさつ
子供との工作遊びネタの1つとして思いついたもの。実際に作ってみると結構面白いので、何か玩具用のアクチュエーター(駆動装置)として使えないだろうか?と考えたのです。
要約
永久磁石と電磁石(鉄心とコイル)とバネにより構成されるシンプルな構造。
電磁石(コイル)に通電しない時(通常状態)では、永久磁石はバネの反力に打ち勝って鉄心にくっ付いている。
永久磁石の磁界を打ち消す向きにコイルに通電した瞬間に、バネの反力によって瞬発的に永久磁石部と電磁石部が分離する駆動機構。
機能試作機:ロケット発射台玩具
うちの猫にもウケました。
例えばこんな応用もあるよ
構造と動作
ロケット発射台玩具を例に構造(仕組み)と動作を説明する。
円錐形状のロケット部は永久磁石とバネにより構成される。
発射台部はコア(鉄心)とコイルつまり電磁石を円柱形状のケースにケーシングした構成である。
コイルに通電していない(発射スイッチがOFFの)時:
永久磁石の磁力はバネの反力に打ち勝ってコア(鉄心)とくっ付いている。
コイルに通電した(発射スイッチをONにした)時:
コイルに電流が流れ、コアには永久磁石の磁力を打ち消す(反発し合う)磁力が発生する。
すると、永久磁石とコアがくっ付き合う力よりもバネの反力が打ち勝ち、バネの反力(場合によっては磁石の反発し合う力も加わり)によりロケット部が飛び立つ。
次に瞬時に強力な電磁石とする(コイルに通電するめの)仕組みを説明する。
強力なロケット発射力を得るには強力なバネが必要で、そのためには強力な永久磁石
および強力な電磁石が必要である。
1個の乾電池から取り出せる電流には限界があり、あまり大きな電磁石の磁力を作り出すことは出来ない。
また、本アクチュエーターでは、発射スイッチを押した瞬間のみ強力な電磁石になればよく、連続的に電流
を流し続ける必要は無い。そこで、下図のように電池の電圧を昇圧して整流しコンデンサC1にじっくりとチャージする。そして十分にチャージされた状態で、発射スイッチを押すことにより、コンデンサーに蓄えたエネルギーを一瞬の強力な磁力に変換することが出来る。つまり、発射スイッチを押した瞬間のみの極めて強力な電磁石を実現できる。
特徴
●バネを止めている引っ掛け具をソレノイドにより外して瞬発力を得る従来の方法と比較すると極めて簡単な構造(電磁石と永久磁石よバネによる構成)である。
●簡単な構造なので頑強で故障し難い。玩具用の駆動機構に好適。
●上記のようなコンデンサーによる昇圧チャージ方式を用い、アクチュエーター(電磁石)を最適化設計すれば、非常に小型ながら大きな瞬発力を持つ面白いアクチュエータを実現できる。ただし強力なネオジウム磁石が必要である。
機能試作機(0次試作機)/ロケット発射台玩具製作遊び
まずは電磁石を作製。M6のボルトをコアにする。
巻き線作業は子供が担当。
できた電磁石を円柱状ケース(ダイソーで購入した玩具の一部を流用)に入れ込む。
これでロケット発射台が完成!
次はロケット部の作製。画用紙で円錐フレームを作製。
その中心部に発泡スチロールの軸材をボンドで固定し、
軸材の先端にネオジウム磁石をボンドとテープで固定。
そしてバネを取り付ける。
コントローラ部(昇圧電源部)。
基板中央の電解コンデンサ(1000uF)に50v程度までチャージする。
右写真が完成し、ロケット発射台にロケットをセットしたところ。
赤いボタンを押せば、2m程度の高さまでロケットが飛び上がります。
みかん(うちの猫)にもウケたので少し嬉しい。
展開
ロケット玩具以外にも色々な玩具に応用できるかも知れません。
例えば、下図は積み木にアクチュエーターを仕込んだ例です。
爆発ボタンを押すと積み木で作った建物が崩れる玩具です。
複数のアクチュエーターを上手く仕込んで巨大なビルを崩す遊びは面白いかも知れません。
(アメリカの老朽化ビル爆破破壊のようなイメージ)
その他にも、例えば、レーシングゲームのコースに、このアクチュエータを埋め込んで置き意図的に事故させるお遊びとか、くす玉の遠隔スイッチで開くたものアクチュエーターとか・・考えれば無数に応用できそうです。
ご自由に応用してください
このアイデアはこのWEBページで公開していますので新規性を喪失しています。つまり全くご自由にご参考や応用してください。ただし、商用化を検討される場合には、ご自身で十分な知財権調査を行なってください。もし、ほんの少しでも何かのヒントやご参考にでもなれば幸いです。
投稿:2008/3/6