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手作りケーブルの達人・龍仙人さんの工房兼リスニングリーム

 

手作りケーブルの達人・龍仙人さんの工房兼リスニングルームを訪問(その2)

2012/7/16

複雑なマルチチャンネルシステム

昨年に引き続き、オーディオケーブル自作の達人龍仙人さんの工房兼リスニングルームを訪問できることになりました。昨年はオギトーンを中心としたシンプルなスピーカー構成でしたが、今回は方チャンネルにつき9個のスピーカーを用いたマルチアンプシステムとのことでした。どのスピーカーがどれで、どれがどうなっているのかはよく分かりませんでした。

 

でも不思議なほど統一感のある音でした

バラバラに置いた9個のスピーカーから鳴っているとは思えない妙な統一感のある感じでした。特殊な未知のサラウンドシステムのような感じさえします。不思議です。このガチャガチャな部屋の雰囲気とは異なり、中域音が驚くほど綺麗でした。JBLの巨大なホーンがとても上手く鳴っているのかも知れません。

相変わらずケーブルが凄いです。手作り特殊ケーブルの嵐でした。

 

龍仙人さんのお話の要約

今回はとてもラッキーなことに、とても長い時間(5時間程度)じっくり聴かして頂き、そして色々、お話を聞くことができましたので、龍仙人さんからお聞きしたお話を要約しておきます。

  • 9個のスピーカーに配分するネットワークは特に計算や測定によるものではなく、音楽を聴いて設定したとのことです。ネットワークというよりは、もっと単純なもののようで、全てはケーブルで調整したとのことです。
  • スピーカーの配置は適当でいいとのことです。音源がピュアーだと、配置による位相がどうのこうのという細かなことは全く気にしなくていいとのことです。
  • 直ぐに出来る音を良くする手法は?と聞くと、それは、出来るだけビニール線をやめること(ビニール線以外に置き換えること)だそうです。
  • 電源の大型トロイダルトランスによるカップリングもかなり有効とのことです。トランスを重ねれば、更に効果的とのことです。ただし大型トロイダルトランスは価格が高く、海外からの輸入費用も高いらしいです。
  • 僕達サークルメンバーのスピーカの音を聴かれての感想とアドバイスは?に対しては、箱を鳴らしてるように感じる。箱の音を良くしようと考えるのではなく、 本来の音を求めた方がいいよ。また、各々が好き勝手なソースをかけるのではなく共通した良いソースで、各々のスピーカーを比較した方が方向が見えるよ。と のアドバイスを頂きました。

 

本当に有難いことに、かなりじっくり色々聴かせて頂きました。また、ケーブルの比較試聴もさせて頂きました。音のセンスが凄まじく鈍い僕が聴いても、電源ケーブルの取り替えにより音が変わというのは、正直、理屈では理解しがたい現象だと思います。

龍仙人さんの今回のシステムは、僕には、少し重低音が過剰であったり、ノイズが大きかったり、などを感じたのですが、不思議なことに、長時間聴いていると、慣れてくるのか、麻痺して来るのかは分かりませんが、あまり気にならなくなります。そして、これは、頗るいい加減な僕の所感ですが、龍仙人さんが、目指しているところの音 (オーディオ)というのは、高音がどうした、低音がどうした、歪がどうした、ノイズがどうした、定位がどうした、という表現手法的な所ではなく、もしかした ら、もっと、その奥の、例えば美空ひばりの音楽なら、美空ひばりのそのもののリアリティなのかも知れません。美空ひばりのCD1枚丸々聴かせて頂いて、ふと、そう 感じました。いたいや、オーディオの奥の深さを感じることの出来た一日でした。

 

 

 

 

手作りケーブルの達人・龍仙人さんの工房兼リスニングルームを訪問(その1)

2011/10/10

ラッキーなことに手作りオーディオケーブル達人龍仙人さんの工房兼リスニングルームを訪問できることになりました。わくわくうきうきです。

 

こんな感じのお部屋

こんな感じのリスニングルーム兼工房です。結構広いです。エントロピーちょと大きそうです。

窓がなく基本的には白熱灯照明のみです。

壁には一面フェルト状の吸音材が貼られいて音の反射は殆どありません。

龍仙人さんが言うには「スピーカー本来の音を聴くためには部屋の反射は不要」とのことです。

 

今のメインスピーカー

これが今のメインスピーカーで、オギトーンと言われる平面スピーカーの特注品とのこです。

これにウーファとツイータが付加されています。

夫々別の場所に置かれていて、ウーファはこのメインスピーカーから3m程度後ろに配置されています。

 

これらが龍仙人さん改造済みCDプレイヤー

内部の接続電線を特製電線に、カップリングコンデンサーをBOSHのコンデンサーに置換されています。

信号線や電源線だけでなく制御用の配線等全てが特製電線に置換されています。

 

これがメインスピーカーを駆動している直熱三極管パワーアンプ

 

これはアンプじゃないよ

この片隅で動作している真空管アンプのようなものは?

この片隅で動作している真空管式OTLアンプのように見えるが、そうではなくデジタルアンプ用の電源とのこと。

デジタルアンプは真空管電源で駆動するのが良い(それ以外はNG)とのことです。でも、そのデジタルアンプは今は全く使用していないらしく、では、なぜ、この電源を起動しているかと言うと、AC電源の負荷として必要とのことです。

龍仙人さんのオーディオシステムの電源は全てアイソレーショントランス(後述します)を経由していて、その都合で負荷が軽いと電源電圧が若干高くなりすぎ、真空管アンプのヒータ電圧が少しオーバするとのこなのです。つまり、本当に単なる電源負荷として、いつも駆動させているとのことなのです。いろんな意味で凄まじく豪華な使い方だと思います。

 

アイソレーショントランス群

部屋の片隅のゴミ置き場のようなところに

部屋の片隅の不要物置き場のようなところに見える数個の円筒管のようなものは、実はアイソレーショントランス。

この部屋のオーディオ機器は全て、これを通して給電している。つまり、今、まさに動作中なのだ。ここまで混沌としているとアートフルにさえ感じてしまうから不思議です。

 

六さんのスピーカーを試聴

この龍仙人さんの部屋で六さんの持ち込んだ長岡式3way(ウファー裏面)を試聴しました。

電源ケーブルとスピーカーケーブルを交換。

このスピーカーのインピーダンスが低すぎるため龍仙人さんの管球アンプは使えず持参の市販石アンプ使用。

スピーカーケーブルは銀箔タイプ(写真の薄べたいケーブル)で、これは旧バージョンだそうです。

試聴結果。

時間の都合で、この部屋での通常ケーブルの音を聴いていないこともあり、また、前回聞いた部屋(山荘)とは大きく音響環境が異なるため、正直、よく分からなかったです。

 

特製ケーブル作製の実演と手順

特製ケーブルの作り方を龍仙人さんに質問すると、見るのが一番早いということで、作り方を実演してもらった。

 

1.銀線(5N)にテンションを与えてピンと張る。

2.絶縁紙(BOSHのコンデンサから取り出した絶縁紙)を巻きつける。

3.その上にプラチナ箔を貼り付ける。

4.プラチナ箔の導通を確実にするためプラチナ線(銀線だったかも?)を巻きつける。

5.その上に絶縁紙(和紙)を貼り付ける。

6.そして絹糸をぐるぐる巻きつける。

7.カラー帯を巻きつける。

8.ケーブルの両端の銀線(内側)とプラチナ線(外側)をハンダ結合する。

 

補足

絶縁紙の種類や絹糸の産地や種類によっても音が大きく変わるとのことです。

理論や理屈ではなく、実際に聴いてみる以外の方法はないとのこと。

30年近く、数々のケーブルを試作しては試聴して、途方もなく繰り返して今のケーブルに行き着いたようです。

本当にどんな質問にも気さくにお答えいただいて感謝感謝です。

 

 

珍しいスピーカユニット

巨大アルニコ磁石のフルレンジ(10cm?)スピーカー。

 

SATRI回路の考案者である永井さんが設計したエッジレスフルレンジスピーカーらしい。

色々珍しいモノも見せてもらいました。

 

本当にありがとうございました

わざわざ外まで出て僕達をお見送りいただきました。

オーディオケーブル探求の達人、龍仙人さんはとても温かく気さくな方でした。

いやいや本当に色々勉強になりました。本当にありがとうございました。

 

 

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