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コイルと磁石だけの超シンプルなフリーエネルギー発電機の謎
YouTubeで話題のコイルとネオジウム磁石だけで出来るフリーエネルギー発電機
YouTubeなど動画投稿系サイトには摩訶不思議と思えるフリーエネルギーマシーン(簡単に言うと宇宙にある無限エネルギーを取り出しててる装置:永久機関のようなもの)が多数アップされています。そのなかでも最もシンプルな構造で人気が高い(再生回数が多く派生型も多い)装置は下記動画のような奇妙なT型の空心コイルとネオジウム磁石とを組合わただけのものです。百聞は一見にしかず。下記の動画をご覧ください。数百万アクセスの人気動画のようです。
どうでしょう?摩訶不思議ですよねえ。
静止した磁石からエネルギーを取り出すことはできません
電磁気学的には全くあり得ないことです。
磁石を動かして(磁束を変化させて)初めてエネルギーとして取り出すことが出来る訳で、どんな強力な磁石であったとしても、静止した永久磁石からエネルギーを取り出すことは出来ません。磁石のもつエネルギーは位置エネルギーのみで実エネルギーは持ちません。つまりダムに溜めている水を流さなければエネルギーを取り出すことが出来きないのと同じで、磁石とコイルとを相対的に動かさなければ(コイルを通過する磁束変化がなければ)エネルギーを取り出すことは出来ません。
実験してみました
最近このようなフリーエネルギー装置に関するご質問をよく頂きますので、とりあえずはこの最も人気でシンプルなタイプのものを実際に実験して説明しようと思います。
ということで、上のYouTube動画をマネして変な形の馬鹿馬鹿しいコイルを試作しました。
部品(材料)は奇妙な形をした空心コイルとハードディスクドライブから取り出したネオジウム磁石、それと発電確認用の豆電球だけです。
この馬鹿馬鹿しい奇妙な形のコイルにネオジウム磁石をセロテープで取り付ければ完成
さてさて。電球をつなくと・・
あららら、光りました。
もしかして原発もメガソーラーなんぞも必要ないのでしょうか?
夢の発電デバイスなのでしょうか?
このエネルギーはいったいどこから来ているのでしょうか?
なぜにこんな簡単に電球が光るのでしょうか?
そのエネルギー(電力)はどこから来ているのでしょうか?
その答えはこの下に書いています。
もし夢の発電デバイスを夢のままにしておきたい方は見ないでくださいね。
以下はこの実験のタネ明かしです:UNVEILED:Trick&Gimmick
この実験のタネ明かし動画をYuoTubeにUPしておきました
ギミック
下左写真が1次コイルに相当するコイルとその1次コイルに高周波電流を流すための共振型インバーター回路です。今回は約200KHzで共振させました。右写真はそのインバータ回路に電力を供給している直流電源器です。この電源器の電力は壁のコンセント(商用電灯線)から供給しています。
『このエネルギーはどこから来ているのでしょうか?』の答え
その答えは、僕の実験の場合は『関西電力から来ている』となります。
『時空間のゼロポイントから来ている』というようなメルヘンな回答ではなくてごめんなさい。
奇妙な形のコイルもネオジウム磁石もたんなる見せかけ
この空心コイルの中点にアンテナコイルを付けたような奇妙なT型のコイルも、また強力なネオジウム磁石も全く必要ありません。それらしく見せるための演出です。数回巻いた普通の空心コイルがあればいい訳です。
卓上電磁調理器(IH調理器)の普及
最近の動画サイトを見てましたら、数年前からこのような高周波電磁誘導(高周波によるトランス結合のようなもの)を用いたであろうと思われるフリーエネルギートリックがとても増えています。これはちょうどこの時期に安価な卓上用電磁調理器(IH調理器)が世界的に広く普及したからだと思います。電磁調理器(IH調理器)があれば僕がやったようなインバーター回路とかをわざわざ手作りする必要はありません。机の天板の下に電磁調理器を隠しこめばそれでOKです。電磁調理器は出力がとても大きいので厚い天板でも全然問題ありませんし、多少天板から離しても電力供給が可能です。トリックやマジックにはとても好適です。
補足
この奇妙なコイルにモータを付けて屋外で自由に動かしている動画もYouTubeにアップされています。それには、今回説明しました高周波電磁カップリング方式のギミックは使えません。でも別の違ったギミック&トリックでとても簡単に実現可能です。別の機会に書きます。
投稿:2014/5/23