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完全クリップ回路

電子回路オタク向けネタです。
学生時代にファジー制御H/Wの開発時に思いついたものです。
実用回路でも使ってみましたら、結構使えました。
何かの参考にでもしていただけたら幸せです。



要約

極めて簡単な回路構成で高速、高精度なクリップ回路を実現します。



背景と目的

通常、CPU等のCMOSデバイスの入力端子に、その電源電圧を超える入力が印加される可能性がある場合、SiダイオードとVcc電圧を用いて上限電圧保護(電圧クリップ)を施します。しかしながら、この方式ではSiダイオードの順方向ドロップ電圧(約0.7V)分が入力端子に入力されてしまいます。通常のCMOSデバイスの入力端子最大許容電圧はVcc+0.3Vであるため十分な保護ができません。

この解決策としてショットキーダイオード用いますと過剰電圧は0.3〜0.4V程度には抑えられることができますが、ショットキーダイオードは通常のプロセスにおいてにのIC等のデバイスへの内蔵はコストアップにつながってしまいます。そこで、簡易なバイポーラ回路で構成でき、高精度で高速度のクリップ回路を考案しました。




構成図および動作原理






特徴

●シンプルな回路構成です。
  ・・・1対(PNP-NPN)のバイポーラTrにより構成できます。
●高精度です。
  ・・・Vbeの温度特性が相殺され設定電圧Vccずばりの電圧値でクリップ可能です。
●高速です。
  ・・・コレクタ接地回路となるので高速動作可能です。
●クリップ電流をVccに流し込みません。
  ・・・通常のダイオードクリップ回路ではクリップ電流(オーバシュート電流)をVccに流し込んでしまいます。
     本方式ではクリップ電流をGNDに流し込むのです。
●IC化が容易、ただし、バイポーラとCMOSの混在可能プロセスが必要。
●三端子クリップ用デバイスとしてどうでしょう?



(参考)ダイオードクリップ方式との比較

2個のダイードを用いた方式と本考案の方式とを比較してみます。





展開

3端子クリップデバイスとしどうでしょう?





何かの参考にでもして頂けたら幸いです

どうぞ、ご自由にご参考ください。
もし商用に利用される場合は、念のため、ご自身で知財権等の調査をしてください。



投稿:2006/6/2

 

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