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ダイソーのNi-MH専用充電器の分解
ダイソーの充電
これがダイソーのNi-MH(ニッケル水素電池)専用の充電器。税込105円。
箱から出すとこんな感じ。
単3、単4どちらでも使える。充電時間は2000mAhの電池で18時間と書いてあるので、急速充電ではなく、のんびり長時間充電タイプのようです。特定の電池専用という訳ではなく、Ni-MH(ニッケル水素電池)ならaneloop(エネループ)でも何でも充電時間を調整すれば使えそうです。ただ、電池ホルダー(の電極)が単3、単4の兼用のためバネ式であるためか、若干電池の出し入れがやり難い場合があります。
さっそく分解してみる
裏側にネジが3つあるが、1つはシールで隠されていた。ネジを外すと簡単に分解できる。
今時のスイッチング方式ではなく昔ながらのトランス(変圧器)を用いたタイプ。回路は極めてシンプルで、整流用ダイードと電流制限用の抵抗器と通電表示用LEDだけのようです。
回路図はこんな感じ
のコネクション(回路図)はこんな感じです。
トランスの二次側(出力)をダイオードで半波整流し、2.1Ωの抵抗を介して、被充電電池に供給するというシンプルな回路です。電池が挿入され、電流が流れるとLEDが点灯します。2つの電池への給電に半波整流の夫々逆相を用いることにより、2つの電池を同時充電した場合のトランスでの電圧降下を小さく抑えるよう工夫されています。
動作確認
分解したまま動作させてみました。
エネループを装着して電源を入れると、ちゃんとLEDが点灯しました。充電電流は実効値で150mA程度でした。これは電池の状態にもよります。トランスの2次側の開放電圧は実効値で4.6V程度です。電流制限としてトランスの内部抵抗も用いているのでしょう。トランスは若干温かくなります。
ダイソー充電器の特徴と使用上の注意事項
上の回路図から明らかなように、電圧、電流監視回路も保護回路も温度監視機能も全然ありません。単に0.1C程度の充電を何も考えずに永遠に続けるだけです。LED表示は電流が流れていることを示すだけで、充電が完了したことを通知する機能はありません。したがいまして、充電する場合は、過充電を防止するため、使用者が時間管理をする必要があります。(充電電流が小さいので、そんな厳密な必要はありませんが)。それと、内部ショートモードの不良電池等を挿入した場合、本体が異常発熱する可能性があります。本体が熱くなった場合や、異臭がしてきた場合は、直ちにコンセントから抜く方がいいと思います。
この充電器のちょっといいところ
この充電器のいい所は、急速充電ではなく、小電流による長時間充電なので、充電時間を大幅にオーバーして超過充電さえさせなければ、電池に優しい、いたわり充電が可能です。また、急速充電器ではエラーが出て上手く充電できなくなってしまった電池でも、こ充電器なら、充電できる(復活させることができる)かも知れません。まあ、サブの充電器として持っていてもいいのかも知れません。
補足
Ni-MH(ニッケル水素電池)専用となっていますが、NiCd(ニッケルカドニウム電池)でも問題なく充電可能です。充電時間は、電池容量と取説に記載の充電時間から比例計算で概算できます。
蛇足
105円で電子工作用部品としての小型トランスを入手できます。
投稿:2012/3/11