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ダイソーのLEDナツメ球(100V豆電球)

ナツメ球(ナツメ形豆電球)とは?

ナツメ球とは、低電力長寿命設計の小型電球(豆電球)のことです。通常は電灯線で用いる補助灯、常夜灯用の電球のことをいいます。語源はナツメ果実から来ているようです。

ナツメ球ナツメ果実

左はナツメ球で、右がナツメ果実です。

 

 

ダイソーのLEDナツメ球

LEDナツメ球は数年前からホームセンターや電気店でオーム電機、ELPA、パナソニックなどのメーカー製が販売されていたのですが、やっぱりダイソーでも売っていました。もちろん税別100円です。発光色は白色、青色、緑色、赤色、電球色などのバリイエーション豊かです。ソケットタイプ(口金)はE12とE17がありました。

下写真はE12ソケットの白色と緑色です。

ダイソーのナツメ球

 

こんな感じです。

 

点灯させると。

意外に明るいです。従来のフィラメント電球の代替できそうです。

 

 

ダイソーのLEDナツメ球の分解

カバーは簡単に外せました。カバーを取り外して光らせると結構眩しいです。

さらに分解。

ダイソーのLEDナツメ球の分解

円形基板上中央にLED(発光ダイオード)を配置し4個のダイオード(ブリッジ整流器)で囲まれた構成です。

少しでも明るくするため基板は白色塗装されています。

 

基板側面はこんな感じです。

ダイソーのLEDナツメ球の分解

 

裏面はこんな感じ。

ダイソーのLEDナツメ球の分解

オレンジ色の目立つ部品はフィルムコンデンサーです。

 

 

ダイソーのLEDナツメ球の回路図

こんな回路構成となっています。

ダイソーのLEDナツメ球の回路図

(ソケットのとこのコイルのように見えるのはコイルではなくたんにソケットの絵柄です)

 

動作の簡単な説明

コンデンサーC1のリアクタンス(交流に対する抵抗のようなもん)を用いて流れる電流を制限し、ダイオードによる全波整流回路で直流に変換してLEDに電流を流しているのです。抵抗器R2とR3は突入電流(通電最初に流れる過電流)からLEDを保護するためのものです。これが無い(0Ωです)と通電開始時にLEDに過電流が流れてLEDにダメージを与えてしまいます。R1はコンデンサーC1にチャージされた電荷を放電するためのものです。これがないと電球を取り外して電極に触れると感電する恐れがあります。簡単に言うとこんな感じです。他のメーカー製のLEDナツメ球もだいたい同じような回路構成だと思います。

もう少し詳しくは下記記事をご参照ください。

サイト内関連リンク

 

 

以下は補足というか蛇足です

このLED電球は点滅しています

上に「ダイオードによる全波整流回路で直流に変換してLEDに電流を流している」と書きましたが、その直流というのは電池にLEDを繋いだ時のような真平らな直流ではありません。波打った電流なのです。関東地方(50Hz)の場合は1秒間に100回点滅、関西地方なら120回点滅してます。つまり一昔前の(インバーター方式ではない)蛍光灯のようにチラチラしているのです。人間の目では殆ど連続して光っているように感じますが。

 

このLED電球は関東と関西で若干明るさが違います

LEDに流れる電流を定めるのにコンデンサーのリアクタンスを用いているのですが、そのリアクタンスは周波数の関数なのです(詳しくは上の参考リンク御覧ください)。つまり関西地方の方が微妙に明るいはずです。

 

このLED電球の消費電力

この回路に流れる電流をざっくり計算すると実効値で15mA程度です。ではその消費電力は消費電力=電圧×電流=100V×15mA=1.5Wとなり表記の費電力0.5Wと大きく異なります。誤表記なのでしょうか?いや違います。計算の方が誤っているのです。電流の実効値は15mAは間違いありませんが、電力の計算が大きく間違っているのです。コンデンサによるリアクタンスを用いた電流制限回路がクセ者なのです。リアクタンスは電圧と電流とに位相差(微妙な時間のすれ)が生じます。だから単純に電圧と電流を掛けても実際の電力が出て来ないのです。またこの回路では整流回路やLEDなどの非線形要素が入り電流波形が大きく歪み正確な消費電力の計測はとても難しいです。家庭用の安価な電力計(ワットメーター)でこのLED電球の消費電力を測定してもおそらくうまく測定できません。多くの場合は1.5W程度を表示すると思います。表記の0.5Wは過剰省エネ表示や誤表記ではなく計測の方がおかしいのです。

 

電球型LEDもこのような回路構成なのか?

白熱球40W相当とか60W相当とかの電球型LEDランプの回路構成はこのLEDナツメ球とは全く異なります。全然別物です。この回路用いることが出来るのは豆電球程度までです。高出力タイプのLED電球の多くは電流制御型のスッチング電源回路方式を用いています。大きな電力を扱っても効率が良いため小型化が容易だからです。

 

投稿:2014/9/23

 

 

 

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