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電灯線(AC100V)を扱う実験をお気楽にする工夫

電子回路実験では、多くの場合、その電源は数V〜数十VのDC(直流)であり、通常は、電池や電源器(ACアダプターや直流安定化電源器など)を用い、電灯線(AC100V)を直接扱うことは、かなり少ないのですが、例えば、トライアックやサイリスタによる調光回路などの実験を行なう場合は、直接、コンセントの電源、つまり電灯線(電燈線)の交流100Vを扱う必要があります。

コンセントの交流100Vを直接扱う実験の場合

電源器を介した場合と異なり、コモン電位がアイソレーションされておらず、また、コンセントの極性(電源コンセントのどちらかの極は電柱で、いちおう接地(GND)されています)を認識して実験を行なわないと感電の危険があります。また、極性を認識して、実験を行なっても、(電池式ではない)測定器を接続した場合などに予想外の電流が測定器GNDラインに流れてしまい測定器を破損させる等の事故につながる恐れがあります。要するに、コンセントの電源を直接用いる通電実験は、かなり厄介なのです。


どこにでもあるトランス2個で実験用アイソレーショントランスを作ろう

で、安全に、電灯線の交流100Vを扱う実験を行なおうとすると100V-100Vのトランス(変圧器)があれば良いのですが、そんな都合のいいものは、僕は持っていません。そこで、手持ちの同じ電源トランス2個を下図のように接続すれば、電灯線100V実験用のアイソレーショントランスがとても簡単に出来上がります。


これ用いると、実験系(測定系)で接地極を自由に決めることが出来ます。測定器のGNDラインに異常電流が流れることもありません。また、もう1つのメリットとして、ショートした場合でも、トランスの内部抵抗によって自ずと電流制限が掛かるので、ショートした瞬間のパチという音も火花も小さいので精神衛生的にも良いです(コンセント直の場合いくらフューズを通していても、ショートしたときはドキドキしてしまいます)。つまり、これを用いると電灯線(AC100V)を扱う実験が少しお気楽になるのです。

2個のトランスを用いた電灯線安全実験用アイソレーショントランスを用いた実験の様子。



補足

●アイソレーショントランスを用いても感電する時は(電位間に触れば)感電します。電圧は変わりませんから。
●取り出せる最大電流は、トランスの電流容量によって異なります。電流容量が小さいと、電流によっては電圧がドロップしまうので、電圧を確認して実験を行なう方がいいです。
投稿:2007/7/4


追記

実験用アイソレーショントランスボックス
装置として箱に詰め込んだよ。

追記:2010/6/15

 

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