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感電を体験するぞ！実験
乾電池をお風呂に入れたら感電するの？
ある日、突然、息子から「乾電池をお風呂に入れたら感電するの？」と質問されました。
「乾電池１個ぐらいでは感電しないと思うよ」と答えたら、
「じゃあ、何個ぐらいだったら感電するの？」ときました。
「うーむ･･･」
ということで、今回の実験をやることになったのです。
感電実験を開始
実際のお風呂でやると、とても大掛かりになってしまうのと、心臓に電流が流れる可能性が有り危険なので、水道水を入れたプラスチックのバケツを用いて、手首だけで感電を体感する実験としました。
乾電池を幾つも直列接続するのは大変なので、直流（DC）安定化電源器を用いました。
出力電圧を０V〜４０Vまで連続して可変できます。
いちおうデジタルマルチメーターで電圧と電流をモニタします。
接続図はこんな感じです。
１対の１０cm幅程度のアルミホイル電極をバケツの側面に両面テープで貼り付けます。
実験光景はこんなんです。
さあ、いよいよ実験開始。
直流電圧を徐々に上げていきます。
どんどん電圧を上げていきますが、意外と感じません。
３０Vでようやくとチキチキと感じ始めます。
４０Ｖでだいぶん感じます。
予想していた「ビリビリ」という感じではなく「チキチキ」という感じです。
４０Ｖでは皮膚表面に奇妙な刺激（痛み）を感じます。
ちなみに、４０Ｖ時に流れる電流は約１６ｍＡ程度でした。
実験しているうちに、手の塩分などが水に溶ける（水中のイオン量が増えた）ためか、電流は徐々に大きくなりました。また、食塩を入れて強引に電流を大きくしても感じるチキチキ感には、あまり大きな違いはありませんでした。食塩を入れたら、もっと低い電圧から感じるかなあっと思ったのですが、ちょっと意外でした。
で、息子からの質問「お風呂に乾電池何個ぐらい入れたら感電するの？」の答えとしては「２０個程度直列接続した電池を使えば感電するよ」になりそうです。
発展実験・・交流ではどうだろう？
上の実験では、電源して電池と同じ種類の直流（ＤＣ）電源を用いましたが、
ここからは交流（ＡＣ）電源で感電実験を行います。
交流電源を用いて実験するには、電灯線（家庭のコンセント）の電圧をトランスで変圧（電圧を小さく）して
用いればいいのですが、それでは、ちょっと芸が無いので、今回は低周波（正弦波）発振器の出力信号を
増幅したものを交流電源として用いることにしました。そうすることで、電圧も周波数も自由にコントロール
が可能となります。
低周波（正弦波）発振器（ＯＳＣ）の出力信号をオーディオ用パワーアンプに入力し、パワーアンプの出力を
昇圧トランスで約５倍程昇圧させ、上の実験と同じバケツの電極に印加します。
接続図はこんな感じです。
右の装置が低周波発振器、左の装置がパワーアンプ、真ん中のが昇圧トランス。
さあ、実験開始！
初めての「ビリビリ」体験をとても喜ぶ息子。
周波数は電灯線に合わせて６０Ｈｚ（ちなみに関東なら５０Ｈｚ）に固定して、電圧を徐々に上げていきました。すると、３Ｖ（実効値）程度からビリビリ感じ始めました。１０Ｖ（実効値）にすると、かなりのビリビリです。
直流電源の時は３０Ｖでようやく感じ始めたのに対して、交流（６０Ｈｚ）では３Ｖから感じ始めたのです。
人間は直流よりも交流の方がずっと敏感（１０倍程度）のようです。
それと、直流では「チキチキ」と感じたのに対して、交流では「ビリビリ」と感じます。
昔懐かしい、あの銭湯の「電気風呂」のような感じです。
さらに発展実験・・周波数を変えたらどうだろう？
次に、電圧を５Ｖ（実効値）に固定して、周波数は２０Ｈｚから徐々に上げていきました。
すると、どんどん周波数を高くするに伴いビリビリ感は強くなり、３００Ｈｚ〜１ＫＨｚあたりで最もビリビリを強く感じました。さらに周波数を高くすると、不思議なことに、１ＫＨｚを超えたあたりから急激に感じるビリビリ感は小さくなりました。
つまり、人間の感電感覚には、おおよそ下グラフのような周波数特性があるよです。
蛇足実験・・皮膚で音楽を聴けるのかな？
低周波（正弦波）発振器の代わりにＣＤプレイヤを接続してみました。
つまり、人間は音楽（会話）を、耳で聴くのではなく、音楽電流により、直接的に感じ取ることができるのだろうか？という実験です。
結果：残念ながら音楽（会話）を感じ取ることは出来ませんでした。音楽に応じてビリビリの強度が変調するだけで、音程（つまり周波数）を感じ取るのは無理なようです。という予想通りの結果でした。でも、もしかしたら、特訓につぐ特訓を重ねたら、電流により、直接、会話や音楽を感じることが出来るようになるかも(？）知れませんね。なんせ、人間の持っている可能性は莫大ですからね。
実験：2007/4/22
投稿：2007/6/5
