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プリン容器でスピーカーを作ろう

子供と一緒にオリジナルスピーカーを作る

電磁石と永久磁石と画用紙とプリンの空き容器でオリジナルスピーカーを作ってみました。
これがベースとなる電磁石です。子供が巻いたもので、巻き数は適当なのです。



電磁石の上の磁極に5mm厚みぐらいの適当な大きさのクッション材(これが重要な機能を果たす)を貼り付ける。
電磁石の下にゴム板を敷くなどして、スポンジ上部がプリン空き容器と高さと同じぐらいに
なるように電磁石の高さを調節し、電磁石をプリン空き容器の底中央部にボンドで固定する。



次は振動紙。適当な大きさの画用紙の中央に小さな希土類(ネオジウム)磁石を取り付ける。
これで、振動紙は出来上がり。つまり、普通のスピーカーとは逆で、磁石が振動するのです。


この振動紙を、前に作った電磁石付きプリン容器にペコンと取り付けると、
なんとこれでスピーカーが出来上がり!特に接着しなくても、磁石の磁力でくっつきます。
横から見ると、こんな感じです。

電磁石と永久磁石の間に挟まれたクッション材によって微妙な隙間が保たれているのです。
言い換えると、永久磁石の磁力とクッション材の反発力とのバランスが取れた状態で安定しているのです。


まずは乾電池(直流電源)に接続してみよう

まずは、この出来立てホヤホヤの手作りスピーカーに、乾電池を接続してみましょう。


乾電池を接続しようとした時に「バリ」という音がします。
でも完全に接続してしまうと、もう何も音がしません。
でも、振動紙中央の磁石に指を触れて、電池を繋いだり、離したりすると、電池を繋いだ時に、磁石が少し上に持ち上がるのが分かり、電池の極を逆(プラスとマイナスを逆)にしてみると、磁石が少し下がる(振動紙中央がへこむ)のが分かります。




交流電源に接続してみよう

ついでに、電灯線電源(家庭の100Vコンセントの電源)をトランスで4V程度に変圧した電圧(つまり交流電圧)を印加してみると(つまり交流電流を流してみると)・・

すると、ブーンという何やら懐かしい音がします。
関東では50Hz、関西では60Hzの音やその高調波、
いわゆるハム音とうやつですね.。

直流(乾電池)で音がしなかったのに、交流だと音がします。
これは交流は、時間とともに電流の大きさや向きが変わるからなんですね。



いよいよ音楽を鳴らしてみよう

でわ、いよいよ、スピーカーの天職であるべく音楽を鳴らしてみましょう。
音源はポータブルCDプレイヤーです。ただ、CDプレイヤーのヘッドホーン出力では、この効率の低いスピーカーを駆動するのは少し辛いので、今回はパワーアンプ(自作真空管式パワーアンプ)を介して、手作りスピーカーに接続しました。

予想以上に鮮明ないい音がしました。
ちなみに、このスピーカー初再生の記念すべき曲は「モーニング娘(曲名は知りません。友人からもらったCDRなもんで)」でした。不思議なことに、このポータブルCDプレイヤ内蔵の小型スピーカーより音がいいような気もしたりします。



この実験によって

コイル(導線を巻いたもの)に電流を流すと磁石(電磁石)になり、その電磁石と永久磁石のくっついたり離れたりしようとする力の働きを利用してスピーカーができているんだなあ。とか音楽というのは時間にともない大きさや向きが変化する電流によりスピーカーに伝えられ、振動紙を振動させることにより音になっているんだなぁ。とかを子供に感じてもらえたら嬉しいです。
理屈的にはフレミングの左手法則とかローレンツ力とかが関係しますが、とりあえずは置いておきましょう。
子供が、現象に対して素朴な興味を持てたならば、それだけで十分です。


補足

●一般的なスピーカーは、永久磁石が固定であり、振動紙(コーン紙)側に空芯コイル(ボイスコイル)があります。つまり可動コイル方式(MC方式)です。今回、実験した方式は、全くその逆で、可動マグネット方式(MM方式)なのです。つまり、可動部(振動紙)に磁石を取り付けるので、できるだけ軽くて(小さくて)強力な磁石が必要です。希土類磁石がとても有効です。
●このスピーカーの最大の特徴は小さな磁石を取り付けるだけで、どんな物でも簡単に振動紙に出来ることです。紙コップとかギターとか風船とか何でも何でも・・いろいろ音質が変わり面白いですよ。
●電磁石と永久磁石の間に挟まれたクッション材が結構ミソなんです。これが無いと、永久磁石が電磁石のコア(ネジ)にぴったしくっ付いてしまい、振動出来ずスピーカーにはなりません。このクッション材を変えてみると音量や音質が変わり面白いですよ。


補足2

●上の写真の電磁石は、子供(当時小学生)が巻いたものをそのまま用いました。もし、このページを参考ににして作られる場合は、もっともっと巻き数は多い方がいいと思います。

●この手作りスピーカーをステレオアンプやミニコンポやラジカセのオーディオ機器の音声出力に直接繋がれる場合は、それらオーディオ機器の保護のため、数オーム(4Ω程度)の抵抗を直列挿入することをお奨めします。





投稿:2007/2/27
追記:2007/3/5
追記(補足2):2009/8/15

 

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