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オシロスコープと光センサで遊ぼう

子供と一緒に楽しい理科実験です。
今回はオシロスコープと光センサで遊んでみました。


光センサをその信号を観測しているオシロスコープの画面に近づけてみると・・

光センサの信号を観測しているオシロスコープの画面に、光センサ自身を近づけてみるとどうなるのでしょうか?





やってみみました。
あらあら不思議、まるで、その光センサを避けるかのように、近づけたところだけオシロスコープの輝線が上にポコンと(凸型に)ゆがみました。

オシロスコープは電気信号を目で見えるように画面に表現する測定器です。画面の横軸(X軸)は時間で、縦軸(Y軸)は電圧です。横軸(X軸)はオシロスコープ内部の時間時軸信号が与えられ、時間軸設定値(SWEEP TIME)に応じて輝点を画面左から右へ連続的に走査しているのです。それが、人間の目は輝点の動き(走査速度)には追従できず、輝線として感じられるのです。(このことはテレビのブラウン管についても同様です。テレビでは左右の走査に加えて上下も走査して平面画像(残像)を作り出しているのです。)

縦軸(Y軸)に光センサ(光を電圧に変換する素子)を入力、そして、その光センサ自身を観測中のオシロスコープの画面に近づけると、輝点が光センサ近傍に来た時に、大きな電圧が縦軸(Y軸)に入力されることとなり、輝点の位置が上昇します。このことが時間軸走査信号により高速で繰り返されるので、人間の目には凸型にゆがんだ輝線と見えるのです。

ちなみに、今回、フォトダイオード等の手持ちの光センサが無かったので、通常のLED(発光ダイオード)を代用しました。もちろん効率は悪いですが、スピーカーがマイクとしての機能があるのと同様に、発光ダイードも光センサーとしての機能があるのです。


光センサを電球型蛍光灯に近づけてみると・・

光センサ(発光ダイオードを代用)を電球型蛍光灯に近づけてみると。



このように数十KHzの波(振動)が観測されます。これは、この電灯の光は連続発光しているのではなく、1秒間に数万回の点滅を繰り返していることを意味しています。ところが、人間の目や脳は、そんな高速の光の変化を認識出来ないので、連続的に光っていると感じるのです。この説明に、子供もなんとなく納得したようです。

ちなみに、最近の蛍光灯(電球型蛍光灯を含めて)はいわゆるインバータ方式です。これは電灯線の交流(50又は60Hz)を整流し一旦直流電圧に変換しから、スイッチング回路で高周波(数十〜数百KHz程度)の交流に再変換し蛍光灯を点灯させています。

昔の旧式の蛍光灯は、電灯線の交流(関東は50Hz、関西は60Hz)でそのまま蛍光灯を点灯していましたので、関東では1秒間に100回、関西では1秒間に120回の点滅を繰り返しているのです。インバータ方式に比べると、ずいぶんゆっくりした点滅です。僕は関西出身なので、初めて東京の友人宅に泊まった時、蛍光灯のちらつきが気になってしかたがありませんでした。最近は、インバータ方式が主流となり蛍光灯のちらつきが無くなり、良い時代になりました。

ちょっと蛇足です

白熱電球は、電灯線交流(関東は50Hz、関西は60Hz)で直接点灯していますが、フィラメントの特性上(フィラメントの畜熱のため)連続的に発光しています(全く点滅していません)。昔ながらの電球(白熱球)の発する灯火に、電球色の蛍光灯では、決して得ることの出来ない安らぎを感じるのは、そのせいでしょうか?

さらに蛇足です

今回、オシロスコープという測定器を使いました。電子工作には極めて重宝するツールです。テスターとは文字通り得られる情報の次元が違います。最近、小型で高性能なデジタルオシロが、びっくりするぐらい安く入手できるようになりました。電子工作にご興味のある方は、是非ご検討されればいかがでしょうか?

僕のオシロは、見ての通、りかなり旧式の岩通製アナログオシロです。学生時代に大学生協でローンで購入したものですが、今でもちゃんと働いてくれます。それに、専用ICも使用してなく、全回路図、校正手順書もあるので自分で校正できます。最新のデジタルオシロもいいですが、操作が直感的で、原理的にエイリアジングの無いアナログオシロは今でも活躍中です。


<参考リンク>
オシロスコープの原理(岩通計測株式会社)

 

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