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アレニウスの法則と人間の寿命
なんと!体温と寿命には関係があるのです。
ちょっと理工系なネタです。
@式はアレニウスの式と言われている式です。ある絶対温度Tにおける化学反応の速さを表しています。簡単に言うと、多くの化学反応は、温度が上がると指数関数的に、その速度は速くなるよ。と言うことを表現しているのです。また、この式は、単純な化学反応だけではなく、色々な物が劣化する速さにも当てはまるらしいです。これを用いて、色々な物(工業製品等)の耐久試験において、温度を上げることにより試験時間を短縮させる根拠として用いられています。
@式は速度定数を表しますが、その逆数(劣化速度の逆数)をとると、それは、その物体の寿命(信頼性を維持できる時間)を表現していると言えます。下のA式のようになります。(逆数にするのだから、指数部の符号を反対にすればよいわけです。)
ここで、少し胡散臭い寿命定数Lkを消去するために、温度の異なる2つの物体(温度Tmと温度Tnの物体)の寿命の比で考えることにします。温度Tmである物体Mの寿命Lmと
、温度Tnである物体Nの寿命Lnとの比は下のB式のようになります。
ところで、僕たち、人間の生命活動も、無数の化学反応の結集と考えることができます。で、ふと、体温の違いにより寿命がどれだけ変わってくるのかをアレニウスの式で推定できないものか?と思いつきました。そこで、B式を用いて計算してみます。
このとき問題になるのは、生物(人間)の生命活動での活性化エネルギーはどれくらいの値にすればいいのか?という疑問です。ネットで検索すれども、明確な値はみつかりませんでした。そもそも、アレニウスの式における活性化エネルギーというもの自体がやや不明確な存在のようです。でも、とある信頼性試験関連の文献に「腐食、腐敗劣化における活性化エネルギーは0.3〜0.4eVとありました。これは、なんとなく生物活動に近い雰囲気なので、とりあえず、この値で計算してみることにします。
例えば、体温35.5℃のMさんと、体温37℃のNさんとの寿命を比較してみます。
Tm=35.5+273=308.5K、Tn=37+273=310K、Ea=0.4eV、R=8.62*10^(-5)eV/KをB式に代入すると
Lm/Ln=1.075 となります。
つまり、体温35.5℃のMさんは、体温37℃のNさん
よりも約8%長生きできるということ。体温37℃のNさんが80歳まで生きたなら、体温35.5℃のMさんは86歳まで生きることができます。つまり1.5℃体温が低いと、6年寿命が長くなるという結果になります。体温の低い人は、少し長生きできそうです。
■補足です。
これは、人間をたんなる化学変化の集合体として遊び的に考察したものです。
生物学的な考察やその他学術的根拠は一切ありません。
健康系の本によると、逆に、体温が高い方が、血行を良くし、免疫力を高め、健康に良い(つまり長生きできる)らしいです。
たぶん、物理化学的な要因よりも、生物学的な要因、さらには心理学的(精神学的)要因の方が遥かに、圧倒的に、人間の寿命に影響を与えているのだと思います。