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あと数年で白熱電球が家庭から無くなるの?

甘利明経済産業相は、2008/4/5に北海道で開かれた「地球温暖化問題に関する懇談会」で、「2012年(平成24年)までに家庭用照明の白熱灯を省エネタイプの電球型蛍光灯に総入れ替えしたい」と述べ、白熱灯を全廃する意向を表明した。











<情報元サイト>
毎日jpサイエンス
北海道新聞・自然科学
(関連記事掲載終了)

消費電力の大きい(効率の低い)白熱電球を省エネのため電球型蛍光灯へ積極的に置き換えるという話題は、別に今突然出たもので無く、数年間から世界的に話題にはなっているネタだ。その背景には、もちろんCO2(二酸化炭素)による地球温暖化がある。

でわ、かつて真空管がトランジスタに移行したように、ブラウン管が液晶に移行するように、白熱電球が電球型蛍光灯に移行するかと言えば、そうではないように思う。確かに日本の大手メーカは特殊用途を除く家庭用白熱電球の製造は廃止または大幅削減するかも知れない。でも白熱電球は流通量は減るもののずっと残るように思う。それは何故かというと白熱電球には電球型蛍光灯にない特徴(魅力)があるからだ。


そこで、ちょっと

白熱電球と電球型蛍光灯の違いをまとめてみる

(寿命の違いや消費電力の違い等の一般的事項は省略する。)
見た目はそっくりでも構造は全く違う
白熱電球は不活性ガス中でフィラメントを電流により発熱発光させるだけのシンプルな原理と構造。
電球型蛍光灯は蛍光管を安定励起(放電)させるための電子回路を内蔵し、かなり複雑な構造である。
つまり白熱電球と比較すると部品点数が桁違いに多い。

光の性質が違う(その1)
白熱電球は連続スペクトルだが、電球型蛍光灯は気体放電発光なので輝線スペクトル(離散的なスペクトル)である。だから、電球型蛍光灯(電球色)を白熱電球と比較すると色調の表現性、演出性が劣る。またリラクゼーション効果が低下する。
  
   上図(白熱電球と蛍光灯のスペクトル)情報元サイトhttp://t.nomoto.org/spectra/

光の性質が違う(その1)
白熱電球は時間的に連続発光(交流で点灯させてもフィラメントの畜熱性により連続発光)しているが、電球型蛍光灯は高速度で点滅している(数十〜数百KHzなので人間は気づかない)。

発生するノイズ(電磁波)の量が圧倒的に違う
白熱電球は電気的には単なるフィラメント(抵抗体)であるため原理的に高周波ノイズを発生しない。電球型蛍光灯は内蔵するインバータ回路(つまりスイッチング回路)により高周波ノイズが発生する。また、サイズや価格の制約上ほとんどシールド(電磁波の遮蔽)は行なわれていない。

電流の流れ方が違う
白熱電球は電気的には純粋な抵抗体(線形素子)なので正弦波電圧に対して素直に同相の正弦波電流が流れる。それに対して電球型蛍光灯の電力受給部は、全波整流回路で整流し電解コンデンサにチャージ(平滑)した直流電圧でインバータを駆動する構成になっているので、正弦波電圧に対して、急峻なパルス状の電流が流れる。つまり電力ラインに高調波ノイズを誘導する。(これは電球型蛍光灯に限らず、スイッチング電源やインバータを搭載する最近の多くの電化製品も同様)
  

要約すると、白熱電球と比較すると、電球型蛍光灯は、消費電力は大幅低下し、寿命が大幅拡大するが、光の質感が低下し、電磁波ノイズが大幅に増える。また構成される部品点数は大幅に増える


蛇足1・電球型蛍光灯ってほんとうに環境にいいの?

確かに、電球の消費電力が小さくなることは素晴らしいと思う。でも、ガラスと電極とフィラメントというシンプルな構成の白熱電球に比較すると、電球型蛍光灯の部品点数は桁違いに多い、そして、その多数の部品を、各部品製造メーカで製造するのにもエネルギーや材料を消費し、もちろんその工程でCO2を排出する。また部品の中には色々な化学物質も多く含まれる。それらの総エネルギーやリサイクルループでの環境汚染等を本気で考えた上で、電球型蛍光灯って、ほんとうに環境にいいのだろうか?


蛇足2・投資の1つとして日本製白熱電球はどう?

まあ、どううあろうとも、いずれ日本の大手メーカは家庭用の白熱電球の製造は中止し、流通量は限りなく零に近くなるだろう。でも一部の人たちの根強い白熱電球支持は残るように思う。
もしかしたら10年後や20年後には、日本製の高品位白熱電球はとても高価なセレブ御用達アイテム(嗜好品の部類)になっているのかも知れない?だから、今、もし、保管する場所があるのなら、ナショナルのシリカ電球あたりを特売の時にでも買い込んで保管しておけば、うまく行けば10〜20年後ぐらいには10倍の値段で売れるかもね?

 

投稿:2008/4/6

 

 

追記・今では蛍光灯を通り越してLED照明の時代に・・

時代の流れとは凄まじいもので、今では電球型蛍光灯を飛び越して、LED照明の本格普及時代に突入しよとしています。上のネタを書いた時は予想もしていませんでした。LED照明がこんなに実用化されるなんて・・

 

追記:2012/2/13

 

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