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OPアンプのゲイン基本公式に含み持つ誤差を忘れずに
基本公式に含まれる原理的誤差
オペアンプを用いた増幅回路のゲインは、多くの場合、オペアンプの裸ゲイン(開ループ利得)を無限大として簡易的に設定ゲインを算出しています。しかしながら、実存のオペアンプの裸ゲイン(開ループ利得)は有限です。よって、その設定ゲインには必然的な誤差が含まれます。特に、高い周波数の信号を扱うときは、その周波数でのオペアンプの裸ゲインが予想外に低下している場合があり、思っている設定ゲインと実ゲインとに大きな違いが出ることがあり、注意が必要です。
グラフで見てみる
さらに、上式から、オペアンプの(裸ゲイン/設定ゲイン)と(実ゲイン/設定ゲイン)の関係をグラフ
にすると、下図のようになります。
このグラフより、設定ゲインに対してのオペアンプの裸ゲイン(開ループ利得)が100倍程度以上あれば、ほぼ思っているゲインが実現されますが、例えば、10倍(20dB)の設定ゲインに対して、ある周波数でのオペアンプの裸ゲインが100倍(40dB)しかない場合、つまり、設定ゲインに対するオペアンプの裸ゲインが10倍の場合、この増幅回路の実際のゲインは思っている設定ゲインの90%しか得られないということです。
<サイト内関連リンク>
増幅回路にNFB(ネガティブフィードバック)を施すことの意味
OPアンプのイマジナリーショート
投稿:2006/5/27