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テスラコイルの基礎実験開始
2012/6/2
まずテスラコイルとは何ぞや?
テスラコイルとは、あの天才科学者ニコラ・テスラが考案したアイテムの1つで、『共振型高周波昇圧トランス』とでも表現できるかと思います。磁性体のコア にコイルをグリグリ巻いて1次側と2次側の結合を出来るだけ密にしたのが通常のトランスですが、テスラコイルは、それとは異なり、コアは無く空心であり、 1次側と2次側コイルとのカップリングは極め疎(というかいい加減)なのですが、1次コイルの励磁周波数を2次側コイル系の共振周波数に一致させること (同調)により強いカップリングを実現しているようです。まあ、大雑把に言うと、こんな感じなんです。
ダイソーのプラスチックボトルを用いてミニミニテスラコイルを試作
まずは2次コイルを製作。ダイソーのプラスチックボトルにひたすらウレタン線をクルクル巻く。とても地味な作業です。
2次コイルさえ出来たら、あとはとても簡単。1次コイルはガムテープの芯材に適当な電線を数回巻くだけ。
それに駆動回路を接続すれば出来上がりです。
元祖テスラコイルは、電源にかなりの高電圧を用いてスパークギャップで放電させて生じた広帯域高周波電流で1次側コイルを励磁するという、かなり 荒っぽい大掛かりな駆動方式ですが、僕が試作したのはSSTC(Solid State Tesla Coil)と呼ばれる類の、スパークギャップ放電は用いずに、スマートにMOSFETによるスイッチングを用いた小型省電力タイプのテスラコイル駆動方式 です。
動作させてみる
電源を投入すると2次コイルの頂上のトロイド(コンデンサの役割の導体)と呼ばれる金属(今回はアルミホイルを固めたもの)の先端から可愛いらしい小さなコロナ放電が発生しました。何も無い空間に向かって放電するのは若干神秘的です。
発振周波数は約1.2MHzです。電源電圧は12Vで電流は0.3A程度で消費電力は僅か3.6Wです。出力電圧(昇圧電圧)は高電圧プローブが無 いので計測出来ないですが、通常のトランスとは異なり、巻き数比よりずっと大きな昇圧比になっているようです。やはり高電圧プローブが無いと不便なので、
時間のある時にでも高電圧プローブを自作しようと思う。
なんとなくテスラコイルの基本的な挙動は分かったので、次は、テスラコイルを動かしている時に生じると言われている数々の摩訶不思議現象の再現なる か?テスラが夢見た無線電力供給システムの可能性?を確認して行こうと思います。それには、もっと大きな出力のテスラコイルを作らなくてば。
追記:実験回路メモ書き(参考まで)
何人かの方にご質問頂きましたので実験回路メモ書きを追記しておきます。これは公開するための回路ではなく、ちょこっと実験のための適当な回路ですので、あくまでもご参考程度までとお考えください。
入力はパルスジェネレータとアンテナ(フィードバック)の両方を試しました、やっぱりアンテナ入力の方が手っ取り早くテスラコイルの最適周波数で駆動できます。ハーフブリッジと下側MOSFETのみのシングル駆動(このときはテスラコイルもう一方の端子は電源+入力となります)の両方を試しました。上の写真はシングル駆動だったと思います(なぜかこの方が放電が元気だったように記憶してます)。ちなみに1次コイルは0.7SQ電線20回程度を使い終わったガムテープボビンに巻いたものでした。
ありがとうございました
AA電池さん、Arduino2さん、ミノさん、ご質問ありがとうございました。
今後
時間をみつけてもう少しちゃんとテスラコイルの実験やってみようと考えています。
ご興味おありの方はどうぞ気長にお待ちください。
参考情報
ニコラ・テスラの「世界システム」はよみがえるか - ITmedia エンタープライズ
初回投稿:2012/6/2
追記:2015/8/9